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復興のランドスケープNo. 11復興に立ちはだかる防潮堤計画の見直しは可能か-気仙沼大島のケース-

長峯純一(関西学院大学総合政策学部)

1.L1基準による防潮堤計画
震災後,海岸を管理する県・市町村は,内閣府「中央防災会議」および海岸を管理する国交省・農水省・水産庁が示したレベル1(L1)という海岸堤防の設計指針に従って,防潮堤整備計画を策定した。L1基準というのは,数十年から百数十年に一度程度の頻度で起きる津波と想定され,それに対しては防潮堤で防ぐという基準が示されたのである。
しかし,このL1基準に従って計画された防潮堤高が巨大すぎるということで,三陸沿岸部を中心に疑問や反対が唱えられてきた。海が見えなくなり,景観や利便性が阻害され,生活・生業・観光が成り立たなくなるとして,生活や産業を復興させようとしている住民たちが声を挙げてきた。それに対して,海岸を主に管理する県(管理者は知事)は,L1基準に基づいた計画を変更する気はないと頑なな態度を保っている。

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なお,この記事は,ランドスケープ研究第78巻4号(395ページ)に掲載されたものです。