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公益社団法人への移行について

平成24年4月1日

会員各位

公益社団法人日本造園学会
会 長  増 田  昇

 日本造園学会は,公益社団法人として2012年4月1日より新たな出発をしました。まずもって会員の皆様にご報告申し上げます。

ご承知のとおり,公益社団法人への移行については,2008年の公益法人制度改革関連三法の施行以来,総務委員会内に設置したタスクフォース委員会等を中心に検討作業を進めてきました。その後,理事会および総会での議論を経て,2011年11月に,内閣府公益認定等委員会あてに移行認定申請を行いました。そして,この2012年3月に移行認定がなされ,移行に係わる登記を経て正式に公益社団法人に移行しました。

この間,会員諸氏からは,様々なご意見や多大なるご支援とご協力を賜りました。この場をお借りして改めて御礼申し上げる次第です。

さて,新公益法人制度のもとで,責任を持って自主的・自律的に学会を運営していく上では,明確化された法人の内部統治に関する事項に対応すると同時に,公益認定基準に適合していくことが求められます。そして,今後は,公益社団法人としての新定款に基づいて学会の運営を行っていくことになります。新定款については,2011年11月の臨時総会にて承認され,本年4月1日付けで施行されていますが,ここで改めて会員の皆様に,従来の旧定款と異なる部分のうち,特に重要な事項について,その要点をお示ししたいと存じます。

第一点は,学会の事業に関する事項です。今回の移行に伴い,当学会が実施する全ての事業は一つの公益目的事業として位置づけられました。すなわち,「造園に関する調査研究,出版,講習・研修,専門教育推進・評価,表彰を通じて学術および技術の進歩をはかり社会の発展に貢献する事業」です。そして,これに含まれる個別の事業のうち,当学会が運営の主体となる造園CPD事業や今後の申請が予定されている環境・造園系専門職大学院認証評価事業の位置づけの明確化を図るため,旧定款の事業に関する項目のうち「学術および技術の評価」を,新定款では「学術および技術に係わる専門教育とその評価」に改めました。また,公益法人としての対外的な発信を意識して「普及,啓発および提言」という項目を加えるなど,今後の学会事業に対応させた修正を加えています。

第二点は,社員総会の構成の変更です。当学会は従来から支部および理事会から選出された代議員が正社員となって社員総会を構成していました。しかし,新制度のもとで当学会が代議員制を採用することは困難であるため,新定款では,すべての正会員をもって社員総会を構成することになりました。社員総会は,社員現在数の過半数以上の出席(委任状を含む)がなければ成立しません。公益社団法人移行後の最初の定時社員総会は,本年5月の全国大会(於:大阪府立大学)の際に開催されますが,正会員の皆様には,是非とも,この総会にご出席いただくか,または委任状の提出をお願いしたいと存じます。

第三点は,内部統治の強化に関する事項です。新定款では,役員(理事および監事)の選任,理事の職務および権限,監事の職務および権限,理事会の権限や決議に関する項目について,明確化を図るために必要な修正を加えています。なお,支部における活動や関連する会計についても,本部のそれらと一体的に運営することが要求されており,現在,各支部と連携を図りながら,支部規程や会計処理の方法等に関する見直し作業を継続しているところです。

第四点は,事業計画および収支予算に関する事項です。新制度のもとでは,事業計画および収支予算の作成時期,承認やそれに係わる書類の扱いが厳格になり,これに対応した修正を加えています。例えば,旧定款では,事業計画と収支予算に決定に係わる例外的な規定があり,これを根拠に5月の通常総会で当該事業年度の事業報告と収支予算を承認していました。しかし,新定款では例外的な規定を削除し,必ず事業年度開始以前に事業計画と収支予算を作成し,理事会決議を経て決定するという内容に改めています。

第五点は,情報の扱いに係わる事項です。旧定款においては,これらに関連する記述はほとんどありませんでしたが,公益法人としての運営の透明化と個人情報の保護の重要性を鑑みて,新定款では新たな項目を設けています。

 

会員の皆様には,上記のような新定款の趣旨や改正点についてご理解をいただきたく存じます。また,今後は,新定款に基づいて当学会の運営に係わる諸規程・規則の改定を進めることになります。暫らくの間は関連する対応に集中的に取組むこととなりますが,会員の皆様のご理解とご協力を賜りながら,公益社団法人としての学会運営の適正化に努めたいと存じますので,よろしくお願い申し上げます。